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コラム詳細

時間は買おうと思えば買えるか?

平成19年3月31日をもって、独立開業して丸10年が経過しました。この間、お客様をはじめとするさまざまな分野の皆様のご支援をいただき、今まで走ってくることができました。この場を借りて心より御礼申し上げます。

この10年間を振り返ると、特定の地域における大幅な景気変動あり、地域格差あり、と決して穏やかな10年ではありませんでしたが、多くの会社の栄枯盛衰を実感しながら仕事をさせていただきました。
中でも特に思い出されるのは、古くからお付き合いをいただいている美容室の社長と初めてお会いした頃のことです。その会社の事業は非常に好調で、外部の投資家からも株式公開をしてはどうか、という提案がありましたが、社長は結果としてその提案を受け入れませんでした。投資を受けなかった理由がわからず社長に真意を伺ったところ、「この商売は人材の良し悪しの影響を受ける商売、そんなに簡単には育たない。スタッフの数を集めるだけなら資金があればできるが、それでは続かないよ。」と社長。

実は、その言葉を改めて噛みしめる場面が実際に最近ありました。私が常に意識していたのはこの言葉です。私どものお客様の中には、立ち上げて間もない会社もありますが、従業員の方を一人ずつ、しかしキチンと採用されている会社とお付き合いをさせていただいております。そのような会社の従業員採用の件でご相談をいただく時は、社長の決断を尊重することはもちろんですが、規模が小さい会社である程、どういう基準で採用するか、ということ、そして少しでも長く勤めてもらえるか、という視点も加えてほしい、とお伝えしています。採用がうまくいっている会社は業績も良く、また社内の雰囲気はもちろん、社長自身の目線が随分とあがっているなぁ、と感じることが多い最近です。

10年という節目を経て、その当時、前出の社長から伺ったことを思い出しながら、時間はカネで買えるという昨今はやりのM&Aの発想はあるものの、カルチャーはカネで買うというようなものではないようだ、と感じています。
私どもも長生きする商売でありたい、そう思いながら11年目をスタートしています。これからもどうぞよろしくお願いいたします。

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チーフコンサルタント チーフアナリスト 柿本 謙二