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バックアップを考える その2

朝夕は肌寒く感じるようになってきました。夏の盛りから考えてきたバックアップ。
前回までで、小さなオフィスや家庭でも可能な方法をご紹介しました。今回はもう少し踏み込んで、法人の方向けに考えてみます。

現在、御社ではどのようなバックアップを行っていますか?
前回のコラムで「RAID」という技術について少し触れましたが、おそらく多くの企業ではこの方式を使ってバックアップを行っているのではないでしょうか。RAIDとは、複数台のHDDを組み合わせ、単一の仮想的な高機能ストレージとして扱う方法です。RAIDには、目的別に数通りの方式があり、使用可能容量や復旧方法に違いがあります(データ保護用:RAID1・RAID5・RAID10 / 高速化用:RAID0・RAID10など)。システム部門の方でなくても耳にしたことがあるかと思います。ビジネス用では主にデータ保護のためのRAID導入が進んでいて、サーバのHDDはRAIDがほぼ常識となっています。

でも、「RAIDにしているからデータは安全」と過信していて大丈夫でしょうか。
地震や浸水などの自然災害、火事や停電、設備の損壊、操作ミスなどの人的エラー、ウイルス、ハッキングなど悪意の破壊工作・・・こうした事態が発生したとき、RAIDはすなわち複数のHDDですから、「データの存在」が確保しきれないので復旧は難しいでしょう。

もう一度バックアップの基本「万一の際にデータが存在していること」を思い出して考えると、様々なリスクからデータを守ろうとしたとき、実は、RAIDで守れる範囲は意外と狭いことが分かります。本来のRAIDの目的は、バックアップではなく、ハードディスク障害による業務停止を回避するためのものでした。本気でバックアップを考えると、RAIDだけでは十分とはいえないのです。

ではどうすればいいのでしょう。

このような事態に対応できるデータ保護の方法といえば、やはりテープによるデータバックアップが比較的低コストで手軽です。バックアップをテープに記録し、そのテープメディアをサーバシステムから取り出し、耐火金庫やサーバシステムと別の場所に保管します。そうすることで、災害時などでもデータ消失の被害から守ることができます。バックアップを考えるときは、「万一の際にデータが存在していること」を基本に、それにプラスしてRAIDなどの方式を併用することでバックアップ性能を高める、というのが適切な考え方です。

初回にご紹介しましたように、バックアップは非常食の用意に似ています。何事もない日常では全く必要のないことですが、いざというとき、命拾いするかどうかがかかっています。
この機会にぜひ御社のバックアップを確認してください。

ISCグループ グループリーダー 福田 彩