コミュニケーション能力(2)
朝夕はキンと冷えた空気を感じる季節になりました。今年もあとわずかです。
年末年始には、忘年会や新年会などで、人と関わる機会が増えますよね。また、シゴトに追われる日常から離れ、久しぶりの仲間や親戚などと時間を過ごすことも多くなります。
前回から「コミュニケーション能力」についてお伝えしていますが、シゴトでもプライベートでも、コミュニケーションは大切です。なにか新しいヒントをお伝えできれば幸いです。
さて前回は、「そもそも、気軽に使っているコミュニケーション能力とはどういう意味?」というところから始め、まず原点に立ち返って、「意志を伝え、理解し合う力」=「分かち合う力」と理解しました。素敵ですよね!
期待はずれですって?・・・もしかして、皆さまは、「コンサルタントが日常的に感じるコミュニケーション能力」ということから、「折衝能力」「交渉能力」「説得能力」等といった攻撃的な技能を期待されたでしょうか?
そうなんです。これこそが、私たちコンサルタントが日常的に感じている落とし穴なのです。折衝・交渉・説得などの技術が必要な場面ももちろんありますが、コミュニケーションの真髄を理解せずにこうした技術を用いると、むしろ逆効果なのです。
この落とし穴について、『声に出して読みたい日本語』(2001年、草思社)が150万部を超えるベストセラーとなった齋藤孝氏は、
「コミュニケーションを単なる情報や知識のやりとりだと思ったりすると、コミュニケーションには失敗してしまう。仕事の相手ですら、情報と同時に感情のわかちあいは行われており、それを意識している人とそうでない人では、結果に大きな違いがでる。・・・最近、学校教育で流行っているディベート形式の訓練は危険で、論理至上との思い込みを生み、相手の言いたいことを理解せず、相手の揚げ足取りをしたり、弱点を攻め立てたり、論理をすりかえる習慣がついてしまう。・・・本当に求められている能力は、相手の言いたいことを的確つかみとる能力であり・・・」(齋藤孝『コミュニケーション力』岩波新書 2004年)
と指摘しています。
まさにその通りで、私たちも、駆け出しの頃は、意気込んで用意周到に打合せの準備をしたときに限って、思うように会議を進められなかったり、相手の方に不愉快な思いをさせてしまったりしたものです。それは、頑張って用意した分だけ自分の議論を手放すことができなくなり、相手の感情に関係なく自分の議論を押しつけてしまうからです。もちろん完璧な準備は必要です。しかし、場の空気を読み、その時の相手の心に合わせて、自分の用意した議論を変化させたり、あっさりと捨てたりする心構えも、コミュニケーションには必要なのです。
ISCグループ グループリーダー 福田 彩
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